オフィスの空調には、そこで働く人が快適で健康的に過ごすことができ、省エネ性も高い放射式・輻射式冷暖房がおすすめです。放射式・輻射式冷暖房をオフィスに導入する際に知っておきたいポイントをお伝えします。
執務エリアの空調には、天井放射冷暖房が適しています。放射式・輻射式冷暖房は不快なドラフトがなく、 平均して並んだ天井放射パネルからの輻射熱が空間内の物体に均等に作用するため、空調が効きすぎる場所や効きが悪い場所ができません。 天井放射パネルは天井材になり、空調機を設置する場合に比べてオフィスの意匠を損なわないことも利点の一つです。
天井放射式の導入が困難な場合は、壁面に放射パネル(スクリーン)を配してもいいでしょう。 また、エントランスホールなど吹き抜け構造のエリアには、居住域のみに空調を効かせる床放射冷暖房が適しています。

製品名
躯体放射冷暖房システム:IC-TABSアイシー・タブス
解説
天井スラブ上部に設置した架橋ポリエチレン管に温水または冷水を循環させて、天井全体を暖めたり冷やしたりする躯体放射冷暖房システムが導入されています。
循環させる水温は、暖房時32~34℃、冷房時16~18℃。再生可能エネルギーを効果的に利用できる上、冷温水が二次利用できるエコフレンドリーな空調システムとなっています。

製品名
空気式天井放射冷暖房システム:RadiAir ラディエール
解説
RadiAir(ラディエール)は、GHPと空気式天井放射冷暖房によるハイブリッド空調システムです。外気はデシカント空調によって除湿され、ジェネリンクで冷却されます。
冷却された外気は室内空気と共にGHPを通ってさらに冷却され、室内に吹き出します。このシステムでは放射と対流が併用されるため、ドラフト感が軽減され、温度のムラも小さくなります。

画像引用元:エコウィン公式HP(https://ecowin-life.jp/work/archives/41)
製品名
エコウィンHYBRIDスクリーンタイプ
解説
エコウィンHYBRIDは、放射式・輻射式冷暖房とエアコンを融合させた空調システムです。エアコンを弱運転にすることで、ドラフト感はほとんど気になりません。
こちらのオフィスでは、壁に設置するほか、間仕切りとしての利用も可能な自立型スクリーンタイプのエコウィンHYBRIDを導入しています。
オフィスで空調を考える上で、どんな課題があるのか事前把握が重要です。課題はクールビズ、省エネと快適性、温度ムラなど複数あります。
環境省はクールビズにおける室内温度の目安を28度としています。「28度だから冷暖房は28度設定」と考えてしまうかもしれませんが、これは誤解です。オフィスのエアコンを28度設定にしても、室内温度が28度になるわけではありません。
誤解したままのルールでは、仕事のパフォーマンスにも悪影響が出ます。とくに決定権のある管理職が誤解したままで「エアコンは28度」とルールにすると、部下も言い出しにくいでしょう。結果、クールビズは良いものではないという認識や不満につながります。
SDGsの取り組みは、現在、将来も見据えた地球環境を守るためにも重要です。会社でも重視し、適した室内温度について過剰な取り組みをした結果、快適性が失われるケースがあります。SDGsに力を入れても、従業員の中で不満やストレスが蓄積すれば、離職の頻発や生産性の低下などが起きかねません。
オフィスの空調環境を改善するには、各オフィスの温度ムラの状況把握と適した空調設備の選定が求められます。その場に合った空調設備なら、省エネと快適性の両立が実現するはずです。
同じフロアでも、温度むらはどうしても出てきてしまいます。エアコンの吹き出し口付近は冷暖房の風の影響を強く受けますが、風が届かない場所だと話は別です。結果として温度ムラができます。風よけ装置、吹き出し方向の調整をして、オフィス内に風が届くように工夫しましょう。
コピー機やパソコンやサーバーなどの排熱が、温度むらの原因のひとつです。機器から出る熱の付近は温度が高くなります。熱源となる機器周辺にパーテションを設けたり、コピー室やサーバルームなど専用の部屋を設けることで対策しましょう。
オフィスに人が多く密集しているケースも、温度むらにつながります。基本的に密閉、密集、密接を避けましょう。密度が高いなら、座席の配置について見直しをするのも対策となります。一人あたり約6畳分のスペースを基準にすると良いでしょう。
オフィスの壁がガラス張りなら注意が必要です。ガラス窓に遮熱や断熱加工がされていない場合、日射の影響を受けてしまいます。
夏には室温が上昇しますし、冬だとコールドドラフト現象で足元が冷えてしまうでしょう。ブラインドカーテンやロールスクリーン、オフィスに適した窓ガラスの採用が求められます。
オフィスの空調管理をしっかり行うことは、従業員の健康や生産性に直結する重要な課題です。暑がりな人も寒がりな人も混在するオフィス環境で、適切な温度管理を行うためには、客観的な基準にもとづいた取り組みが必要です。
まず、空調管理の第一歩は、室温を客観的に測定することです。暑さや寒さの感じ方は人それぞれですが、主観的な判断でエアコンの温度を頻繁に変えてしまうと、体調不良や作業効率の低下を引き起こしかねません。室温を基準としてエアコンを調節することが、快適なオフィス環境を作る鍵です。
では、どのようにしてエアコンの温度を設定すればよいでしょうか?答えはシンプルです。快適な室内温度を目標にし、その室温になるように調整することです。
リモコンに表示される温度はエアコンの設定温度であり、実際の室温を示すものではありません。そのため、オフィスの温度管理を行う際には、必ず室温計を使用して、実際の室温を確認しましょう。
オフィスでの快適な空調管理を行うための5つのルールをご紹介します。特にルール1は必ず実行してください。
エアコン問題の最も大きな課題は、各人が主観的に暑い・寒いを判断してエアコンの温度を操作することです。そのため、オフィスの5ヶ所に温度計を設置し、室温を客観的に確認できるようにします。
温度計の設置場所としては、オフィスの四隅と中心が理想的です。空気の流れによって温度が異なることもあるため、複数の箇所で測ることが重要です。卓上時計機能付きの温度計であれば設置が簡単で便利です。
オフィスの温度調整は自宅のようにすぐには変わりません。広いオフィスの室温が変わるまでには30分程度かかるため、温度調整は30分ごとに0.5度だけ上下させるというルールを設けましょう。「まだ暑い!」という声があっても30分は待つことで、急激な温度変化を避けます。
外出から戻ってきたばかりで暑いと感じる場合や、個人の感じ方に対応するために、卓上扇風機やひざ掛けなどの局所対応を導入します。特に湿度の高い日には、卓上扇風機を使うことで体感温度を下げる効果があります。また、寒がりな方には「首・腹・足首」の三点を温める工夫を推奨します。
温度や湿度を適切に管理しても不快感が残る場合には、気流を作ることが効果的です。大型の扇風機やサーキュレーターを使ってエアコンの風をオフィス全体に循環させることで、空気を効率的に混ぜ、不快感を軽減します。この方法は換気効果もあり、快適なオフィス環境づくりに貢献します。
最後に、温度調節係を一人または二人決めておくことをお勧めします。この担当者が室温をチェックし、ルールに基づいてエアコンの温度調整を行うことで、ルールが守られ、快適な空間が保たれやすくなります。人事総務が担当する必要はなく、衛生管理者や各部署の代表者が持ち回りで行うことも可能です。
オフィスに設置できる空調にはセントラル空調と個別空調の2種類があります。状況に合わせてどちらを取り入れるか考えましょう。
セントラル空調は、熱源装置をビル内の一箇所に集中させて、そこで作った空気をオフィス内に運ぶ仕組みです。そのため、中央式空調と呼ぶこともあります。熱源装置はボイラーや冷凍機、搬送ポンプなどの装置が必要になり、広いスペースを確保しなければなりません。
ビル全体で空調管理を行うため、広いオフィスの温度管理に向いています。
方式によっても熱源装置の設置方法や必要なスペースが異なります。セントラル空調を導入する際は、方式にも注目してみましょう。
個室ごとに細かく温度管理ができる個別空調。家庭で使っている空調に似ているのが特徴です。
勤務時間に合わせて電源をオンオフできたり、人が密集している部屋は温度を下げたりと自由に使えるメリットがあります。管理がビル全体ではなくオフィスごとになるため、電気代は個別に請求されます。
セントラル空調にはいくつかの方式があります。それぞれ効果が異なり、設置に必要なスペースの広さも異なるためどの方式が向いているのが知っておくのが大切です。
空気を空気調和室へ運んで温度調整をするのが全空気方式のセントラル空調です。オフィスのほか、体育館やショッピングモールなどの天井の高い施設や広い施設に適しています。風量の調整の仕方によって、さらに2種類にわけられます。
単一ダクト変風方式は、フロアごとに温度管理ができるのが特徴です。無駄を減らすことができるため電気代を抑えたい場合におすすめです。
単一ダクト定風量方式は、風量を一定にしている空調です。仕組みが単純なので、故障しにくい、メンテンナンスしやすいといったメリットがあります。しかし、風量が一定のため、人が多いオフィスでは空調の効果を実感しにくく、反対に人の少ないオフィスでは空調が利きすぎて暑かったり寒かったりするデメリットがあります。
空気方式は空気を使って温度調整をしますが、全水方式は水を使って温度調整をします。熱交換器に水を通すことで温度を変えて空調するのが特徴です。空気を大量に使う全空気方式に比べてダクトが小さいため、空調室のスペースが狭くて良いのがメリットです。外気を取り込む窓が必要なほか、水漏れのリスクがあるデメリットもあります。
全空気方式と全水方式の両方を取り入れた空調です。水を使って温度調整を行い、温度調整した空気を空気と水を使ってオフィスに運びます。全空気方式に比べて水の力も利用するため、ダクトを大きくする必要がなく、スペースの削減ができるメリットがあります。しかし、全水方式と同じく、水漏れの可能性があるのが難点です。
ビルの空調の管理室の大きさ、メンテナンスや修理のしやすさから設置する方式を選ぶようにしましょう。
セントラル空調は中央管理室で電源のオンオフや温度調整などを一括で管理するのが特徴です。部屋ごとに温度調整ができないですが、管理が簡単なことがメリットと言えます。近年では中央管理室での制御を遠隔操作により行うことできるようになったため、より管理しやすくなっています。
また、セントラル空調の場合は、オフィスビル全体の空調を管理しているため、費用が「共益費」になるケースも多く電気代の追加請求がされないことも。さらに、コアタイムの利用であれば社内の各部屋の空調を利用していても追加料金を請求されないため、電気代をかけたくない場合におすすめです。
ビル全体で空調管理しているため残業時や通常よりも早く出勤してきたときなどは、電源がついておらず暑かったり寒かったりする可能性があるのがデメリットです。また、ビル全体のオフィスで勤務時間が似通っている場合は問題ありませんが、24時間体制の会社がある場合には稼働し続けることになり、電気代も上がってしまいます。
必要に応じて個別に温度管理ができるメリットがある個別空調。必要な時に電源を付けて細やか冷暖房の温度調整ができるのが特徴です。会議などで室内の人数が増えている時には室温を下げたい、早出や残業があるから冷暖房を付けておきたいなど様々なニーズに対応できるのがポイントです。
個別に設定ができるのはメリットではありますが、セントラル空調のように一括管理ではないため共益費には含まれず「使った分だけ請求」されるのがデメリットとなります。加えて、個室の空調管理をオフィス内の社員が行うため、電源の切り忘れによる電気代の上昇などトラブルが起こる可能性があるのも念頭に置いておきましょう。
会社によって向いている空調が異なります。建物の構造によって導入できるかどうかは変わってきますが、セントラル空調と個別空調のどちらが良いかを決めておくと、メーカーとの相談がスムーズにできます。
100人以上の人が務めているオフィス、出入りがある店舗では一括で温度管理ができるセントラル空調がおすすめ。時間外労働などのコアタイム以外にオフィスを利用する場合には空調が付いていない可能性もあるため、決まった時間の労働が多い会社に向いています。
部屋が大きくなればなるほど空調の負担が上がります。広いオフィスを少ない人数で使う場合はセントラル空調のほうがおすすめですが、オフィスが小さめで人数も少ないのであれば個別空調のほうが使い勝手が良いでしょう。だいたい10名程度のオフィスは個別空調でも問題ないでしょう。
輻射式冷暖房はオフィスにぴったりの空調設備です。主なメリットは「無風・無音」「温度村の少なさ」「省エネ」「清掃の手間がかからない」などがあります。仕事に集中しているとき、無風・無音タイプならエアコンの風や音に邪魔されません。
温度ムラも少ないですし、一般的なエアコンと比較すると、体感温度は±2度違うことで、10%~20%の省エネが期待できます。職場環境の温度の問題は社員から不満が出る理由の1つです。快適な環境を構築できれば、仕事のパフォーマンス向上につながるため一考する価値があります。
建築物衛生法が示す空気環境の基準のうち、居室の適切な温度は「18℃~28℃」。なお、夏季などには外気温よりも居室の温度を低くしますが、その際は外気温と室温の差を大きくしすぎないことが大切です。
また、適切な相対湿度は「40%~70%」。梅雨や夏季には湿気が多く、冬は乾燥しやすいため、湿度のコントロールが必要です。
エアコンの設定温度=実際の室温ではありません。そのため、夏場などの外気温が高い日には、エアコンの設定温度が28度でも実際の室温は30度近くあることがあります。
そこで、実際の室温を把握することが大切。オフィスに温度計を設置し、実際の室温を計測しましょう。温度計は、オフィスの四隅と中心の計5箇所に設置します。室内の空気の流れによって各箇所の温度が異なるため、1箇所ではなく5箇所に温度計を設置することが大切です。
なお、壁掛けの温度計を設置しにくい場合は、温度計機能付きの卓上時計などを設置すると良いでしょう。
オフィスは広い空間であることが多いため、温度調整に時間がかかります。エアコンの設定温度を変更してから実際に室温が変化するまでに、30分程度はかかってしまうでしょう。
そのため、「エアコンの設定温度を変えてから、30分は動かさない。また、1回の温度調整は0.5度まで」というルールを推奨します。
外出先から帰ってきた人とずっとオフィス内にいる人では、同じ空間にいても体感温度が異なります。そこで、局所対応を行いましょう。
たとえば、炎天下の外出先から帰ってきて暑い人は、卓上扇風機などで体感温度を下げます。一方、オフィスでずっと座っていて寒さを感じる人は、首・お腹・足首の3点を暖かくして寒さ対策を行います。
快適に感じる温度や湿度は、人によって差があります。そのため、「室温も湿度も適切にしているはずなのに、不快だと感じる人がいる」ということもあります。
そこで、大型扇風機やサーキュレーターなどを用いて気流をつくりましょう。空気を循環させることができれば、エアコンの設定温度等を変更せずに不快指数を下げることができます。
オフィスでは複数の社員が働いていますから、誰か一人の体感温度で温度調整を行うわけにはいきません。そこで、上記で紹介した「30分間で0.5度まで調整」などのルールが役に立ちます。
しかし、ルールを忘れてしまう人もいるでしょう。そのため、オフィス内の温度調整係を決めておくことをおすすめします。
温度調整係は、オフィスで決めたルールに基づいて温度調整を行います。温度調整係が暑いと思ったらエアコンの設定温度を下げるのではなく、「5箇所で計する室温が〇度になるようにする」といったルールを守る役割を担います。
静かで快適なオフィス環境を作るのに適した放射式・輻射式暖房ですが、建物の規模や構造によっては導入できるタイプが限定される場合があります。 導入を検討する際には、冷温水式と空気式のいずれにも対応可能で、的確なアドバイスをくれるメーカーに相談するといいでしょう。
本サイトでは、放射式・輻射式冷暖房の導入目的別に適したメーカーを紹介。ぴったりな製品が見つからない…と諦める前に、ぜひ参考にしてみてください。
条件に合った
輻射式・放射式
冷暖房が見つかる

2022年9月15日現在、「輻射式冷暖房」「放射式冷暖房」で検索して表示された輻射式冷暖房メーカー35社のうち、納入事例数が多い2社(※)をピックアップしました。
※個人住宅への納入事例は除く。
