倉庫における空調の重要性についてまとめました。また、輻射式冷暖房が倉庫に適している理由についても解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
輻射式冷暖房を導入した食糧倉庫の事例を、1つピックアップしてご紹介します。
地中熱と地下水熱を有効に利用し、倉庫への輻射式冷暖房という形で活かしています。
輻射式冷暖房導入するまでは、食糧倉庫の荷捌き室の室温を15℃にキープするのを、エアコンのみに頼って行っていました。けれどもその方法だと、湿度を70%にキープすることは困難だったのです。
輻射式冷暖房の導入後は、地中熱および地下熱を活用した空調が可能になりました。その結果、室温だけでなく、湿度もしっかりとキープできるようになったのです。
参照元:CRAFTWERK(https://kraftwerk75.co.jp/sample-post4/)
倉庫内の空間を適切なコンディションにしておくために、冷暖房は欠かせない設備であるといえます。その主な理由として、次のようなものが挙げられます。
日本の夏の平均気温は、さまざまな変動をみせつつ、全体として上昇傾向にあります。たとえば、2023年の6〜8月では、その平均気温は、基準値(1991〜2020年の30年間における平均気温)からの偏差は+1.76℃でした。この数字は、1898年に統計がスタートしてから、最も高い値となっています。また、気温変動をさらに長期的にみた場合、100年あたり1.25℃の割合で上がっている状況です。
参照元:国土交通省|気象庁(https://www.data.jma.go.jp/cpdinfo/temp/sum_jpn.html)
一般的に、倉庫は構造上、太陽光を直接に受ける屋根や壁などの面積が広いです。そのため、倉庫の外側は熱を帯びた状態が続きます。しかも、風通しもあまり良好でない場合が多いため、内側にも熱がこもってしまいがちです。わかりやすく例えると、大型の温室に近いコンディションになってしまうのです。
その結果として、暑さが厳しい季節などは、倉庫内の気温が40℃を超えてしまうことも充分にありえるます。
参照元:株式会社イーズ(https://esinc.co.jp/column/warehouse-air-conditioning/)
多くの倉庫は天井が高く、しかも面積も広いため、温度や湿度の調整が難しい設備だといえます。暑さをやわらげるために大型の扇風機を設置したとしても、空間があまりにも大きいいため、全体にいきわたらせることは困難です。ですから、より効果的に作業スペースの環境を改善しようとするのであれば、扇風機ではなく冷暖房の導入を検討が必要になります。
倉庫内の作業スペースのコンディションがあまりに劣悪だと、従業員のモチベーションにも悪影響が及んでしまいます。特に、暑さのきびしい夏場や寒さの厳しい冬場は、要注意です。
たくさんの汗をかいて作業着が不快な状態になったり、寒さで指先がかじかんでしまったり、あるいは不平不満や愚痴をこぼしてしまったりするなど、いずれもモチベーション低下の原因につながるものです。その結果、事故が発生するリスクが高まるだけでなく、従業員が会社を辞めてしまうなどの事態も招きかねません。
倉庫内にて、荷物をトラックのロールボックスパレットからコンベアへと下ろす作業を担当していた方の事例です。
午前8時から11時まで行い、休憩をはさんだあとに再び休憩室から出ようとした際、歩行不能の状態になりました。救急搬送されたのですが、熱中症を原因とする多臓器不全により亡くなってしまったのです。作業スペースは空調管理がなされており、飲料水サーバーも近くに設置されていました。
その方は、体調不良で休職しており、復帰した直後であっため、熱への順化に問題があった可能性があります。また、熱中症予防のための労働衛生教育が充分でなかったこと、そして暑さ指数(WBGT値)の測定を実施していなかったことなども原因になっていた可能性があります。
参照元:厚生労働省|職場のあんぜんサイト(https://anzeninfo.mhlw.go.jp/anzen_pg/SAI_DET.aspx?joho_no=101561)
倉庫内での物流関連の業務など、熱中症になるリスクの高い作業を行う際には特に、暑さ対策に力を入れることが重要です。ぜひ参考にしていただきたい対策をいくつかご紹介します。
小型のファンが内蔵されている空調服を着用していれば、暑さのきびしい夏場の作業における負担を、軽減することが可能です。空調服着用時に涼しさを感じられるのは、ファンが取り込んだ空気が汗を気化し、さらに気化熱を奪う仕組みになっているからです。
モバイルバッテリーを接続しておけば、電源のない作業スペースであっても、一定時間ファンを連続稼働させられます。
ネッククーラーは、首にかけておくだけで、体をクールダウンさせられる便利なアイテムです。ネッククーラー使用時も両手を自由に使えるため、作業をしにくくなるなどの問題は生じません。
首元には、血液を循環させる2つの太い血管である頸動脈と頸静脈が通っています。首元は皮膚が薄いため、ネッククーラーをかけておけば、それらの太い血管を簡単に冷やせるのです。冷えた血液を体中にめぐらせられるため、効率よくクールダウンできます。
汗をかいて体内の水分が奪われてしまうと、場合によっては体調不良や熱中症、脱水症状などを引き起こすリスクが高まります。ですから、こまめに水分補給をしながら作業を行うようにしましょう。
また、汗をかくと水分だけでなくナトリウムやカリウムなども一緒に消費されやすいです。そのため、水分補給をしていても、熱中症になってしまう可能性があるのです。その対策としては、水分・塩分を両方接種できるスポーツドリンクがおすすめです。
窓が少ない倉庫は、熱が天井付近にこもりがちなので、空気を循環させることが大切です。そのような場合、天井に設置する大型扇風機、つまりシーリングファンを設置すれば、空気の循環を促すことが可能になります。空気の循環が改善すると、空調効率も向上します。
倉庫内には間仕切りがないことも珍しくありません。その場合、空調効率が悪い状態になっているため、冷房をつけてもあまり涼しくならないです。そんなときに役立つのが、間仕切りカーテンです。簡易的な間仕切りをつくることができるビニール製カーテンです。
適切に設置すれば空調効果が高まるので、冷房の効きが改善されるでしょう。
遮熱シートを倉庫の屋根に取り付けておけば、日射による輻射熱が反射されるので、暑さを軽減することが可能になります。
太陽光にさらされている屋根は高温になりやすく、熱がこもると、倉庫内に熱が放射されます。その結果、作業スペースの温度が上昇してしまうのです。輻射熱は遠赤外線によって伝わる性質があり、体の奥まで熱が到達するため、注意が必要です。
倉庫に適した業務用エアコンには、天吊形と床置形があります。設置場所や用途に応じて、適切なタイプを選ぶことが大切です。
倉庫のように天井が高い空間では、天吊形業務用エアコンが一般的に使用されています。オフィスや店舗で使用されることが多い天井埋込形とは異なり、天吊形は風が床まで届きやすく、広い空間の空調に適しています。天吊形は天井に室内機を吊り下げて設置するタイプで、天井に大きな穴を開けずに済むため、工事費用を抑えられるのも魅力です。
また、設置に際しては、片側の壁に一列に並べて取り付けることで、空気を効率的に循環させることが可能です。しかし、倉庫が広く、反対側まで風が届かない場合は、エアコンの台数を増やすよりも、中間に送風機を設置した方が電力消費を抑えられる場合があります。天吊形はその柔軟な設置方法と、広範囲にわたる冷暖房効果から、倉庫において非常に有用な選択肢となるでしょう。
天井にエアコンを設置するのが難しい倉庫には、床置形業務用エアコンが適しています。床に設置するため、取り付けが簡単で、フィルター掃除やメンテナンスもしやすい点がメリットです。特に、外壁に近い位置に設置することで配管を短くでき、工事費用を抑えられます。
倉庫に設置する業務用エアコンは、機能性や性能が重要です。特に、環境や作業内容に合わせた機能を持つエアコンを選ぶことが求められます。
倉庫はホコリが溜まりやすく、業種によっては粉じんが舞うこともあります。このため、自動清掃機能が備わったエアコンは非常に便利です。フィルターの自動清掃機能により、メンテナンスの手間が大幅に軽減され、ホコリやチリが蓄積することで発生するカビや悪臭を防ぐことができます。
これにより、エアコンの効果を長期間にわたって維持できるため、効率的な運用が可能です。また、定期的な清掃が不要となるため、人件費の削減にもつながるでしょう。
人の出入りが少ない倉庫や、ホコリが舞いやすい環境では、空気清浄機能が重要です。特に、窓を開けることが難しい閉鎖的な空間では、空気が汚れやすく、従業員の健康にも影響を与える可能性があります。空気清浄機能があるエアコンなら、窓を開けずに換気ができ、常にクリーンな空気を保てます。
これにより、従業員が快適に作業できる環境を提供できます。さらに、空気中の微粒子やアレルゲンを除去する機能も備わっていれば、より衛生的な空間を維持できるでしょう。
倉庫で保管する製品によっては、湿度の管理が重要です。特に衣類や紙製品を保管する場合、湿気を防ぐための対策が必要です。温度と同様に湿度も調整できる業務用エアコンを選ぶことで、製品の品質を維持しやすくなります。夏の暑さや冬の寒さに対しても、快適な作業環境を整えられます。
倉庫内での効率的な温度管理には、個別運転ができる業務用エアコンが適しています。エリアごとに温度調整ができるため、保管する製品に応じた環境を作り出せます。また、必要な場所だけエアコンを稼働させることで、電気代を節約することも可能です。複数台のエアコンを導入する場合、1台が故障しても他のエアコンで補うことができるため、安心して運用できます。
倉庫用業務用エアコンの費用には、本体価格、設置費用、そして運用コストが含まれます。これらを総合的に比較・検討することが重要です。
業務用エアコンの本体価格は、機種の性能やタイプによって異なります。一般的に、天吊形のエアコンは15~95万円、床置形の場合は15~70万円が相場です。天井に余裕がある倉庫なら天吊形を、コストを抑えたい場合は床置形を検討するとよいでしょう。
業務用エアコンの設置費用は、設置場所の環境やエアコンの種類によって異なり、4~21万円程度の幅があります。特に、天井が高い倉庫に天吊形を設置する場合、高所作業車を使用する必要があり、追加費用が発生することもあります。設置環境をしっかり確認した上で、見積もりを取得することが大切です。
倉庫の空調をIoT化することで得られるメリットとデメリットを紹介します。IoT化による効率化や管理のしやすさは、企業にとって非常に大きな利点となります。
IoT(Internet of Things)は、インターネットを通じて物と物がつながり、情報を交換し合う仕組みのことです。センサーやデバイスを利用してデータを収集し、そのデータを基に様々な制御が可能です。
IoTは、産業分野においても大きな変革をもたらしており、空調システムの効率化やエネルギーの節約など、様々なメリットを提供しています。具体的には、遠隔操作や自動化、データ解析による最適化などです。例えば、倉庫内の温度や湿度をリアルタイムで監視し、空調設定を自動で行えます。これにより、エネルギーの無駄を削減し、コストを抑えることが可能です。また、異常検知機能により、故障の早期発見や予防保全が可能となり、システムの安定運用が期待できます。
遠隔操作が可能になり、現場にいなくても空調の調整ができます。次に、データをリアルタイムで収集・解析することで、エネルギーの使用状況を把握し、無駄を省けます。
また、定期的なメンテナンスのタイミングを通知するなど、管理をより効率的にできます。IoT化によって得られるデータは、将来的な予測や改善にも役立つでしょう。例えば、過去のデータを分析することで、季節ごとのエネルギー使用パターンを把握し、より効率的な運用方法を見つけられます。
異常時には即座にアラートが発せられるため、迅速な対応が可能です。これにより、使用できない時間を抑えることができ、生産性の向上に寄与します。
IoT化にはデメリットも存在します。大きな懸念の一つは、通信障害やデバイスの故障による機能停止です。インターネットを通じて運用されるため、ネットワーク障害が発生すると、システム全体が停止する可能性があります。
もし大規模な倉庫でネットワーク障害が発生した場合、空調システムが停止し、温度管理ができなくなるかもしれません。これにより、倉庫内の製品に悪影響を及ぼします。デバイス自体が故障した場合、その修理や交換に時間とコストがかかるのもデメリットです。このようなリスクを抑えるためには、バックアップシステムや予備のデバイスを用意することが重要です。
また、IoTデバイスの管理が煩雑になることもデメリットの一つです。複数のデバイスを一元管理するためのシステムが必要となり、導入後のメンテナンスやトラブルシューティングに時間とコストがかかることがあります。
例えば、大規模な倉庫では、数十から数百のIoTデバイスが設置されることがあります。これらのデバイスの管理は非常に複雑であり、専門的な知識やスキルが必要になるでしょう。さらに、新しいデバイスの追加や既存デバイスのアップデートにも対応しなければいけません。その分管理コストが増加し、企業の負担となります。
空調以外にも、熱対策として有効な方法をご紹介します。断熱リフォームは、冷暖房の効率を高め、経費削減や衛生環境の向上に寄与します。
断熱リフォームを行うことで、冷暖房の効率が向上し、経費削減につながります。断熱材を使用することで、外気の影響を受けにくくなり、室内の温度を一定に保つことができます。例えば、冬場には暖房の効率が向上し、少ないエネルギーで室内を暖かく保つことができます。
また、夏場には冷房の効率が向上し、涼しい室内環境を維持するためのエネルギー消費を抑えることができます。このように、断熱リフォームは、年間を通じてエネルギーコストを削減する効果があります。
断熱リフォームにより、結露の発生を抑え、カビの発生を防げます。これにより、衛生環境の向上が期待できます。例えば、倉庫内の壁や天井に断熱材を施すことで、室内と外気の温度差による結露を防げます。
結露はカビの発生原因となり、衛生環境を悪化させる要因となりますが、断熱リフォームによりそのリスクは軽減可能です。また、カビの発生を防ぐことで、倉庫内の製品の品質を保てます。
断熱材を使用することで、温度変化による製品への影響を最小限に抑え、品質の安定に寄与します。例えば、温度変化が激しい環境では、製品の品質が劣化する可能性があります。
断熱リフォームにより室内の温度を一定に保つことで、製品の品質を安定させられます。特に、温度に敏感な製品や長期間保管する必要がある製品にとって、断熱リフォームは非常に重要です。
天井断熱は、室内の温度を一定に保つために有効な方法です。天井に断熱材を敷くことで、室内の熱が外に逃げるのを防げます。これにより、冷暖房の効率が向上し、エネルギーの使用量を削減可能です。
例えば、冬場には室内の暖かい空気が天井から外に逃げるのを防ぎ、室温を一定に保てます。また、夏場には外部からの熱が室内に侵入するのを防ぎ、涼しい室内環境を維持することができます。このように、天井断熱は年間を通じてエネルギー効率を向上させる効果があります。
屋根断熱は、夏場の高温対策として特に効果的です。屋根に断熱材を施工することで、直射日光による熱の侵入を防ぎ、室内の温度上昇を抑えます。これにより、冷房の負荷を減らし、快適な室内環境を維持できます。
例えば、屋根に断熱材を施すことで、夏場の強い日差しによる屋根の温度上昇を防げます。これにより、屋根から室内への熱の伝導を抑え、室温を低く保つことが可能です。また、屋根断熱は、冬場の寒さ対策にも効果があります。屋根から熱が逃げるのを防ぐことで、室内の暖かさを保ち、暖房の効率を向上させられます。
輻射式冷暖房は、床や天井、壁などの放熱板を利用して空調を行うための設備です。空間全体を、ムラなく快適な室温に保つことが可能です。また、対流式の空調とは異なり、ドラフト感なく静かに運転されるのも輻射式冷暖房の特徴です。そのため、空気が乾燥しにくく、また、ホコリなどが舞い上がるのも抑えられます。
こういった特徴は、ストレスなく作業ができる倉庫内の快適環境をつくるのに、とても適しています。
条件に合った
輻射式・放射式
冷暖房が見つかる

2022年9月15日現在、「輻射式冷暖房」「放射式冷暖房」で検索して表示された輻射式冷暖房メーカー35社のうち、納入事例数が多い2社(※)をピックアップしました。
※個人住宅への納入事例は除く。
