建築物衛生法は、正式には「建築物における衛生的環境の確保に関する法律」といい、多数の人が利用する建築物において衛生的な環境を確保することを目的としています。一般的には「ビル管法」という通称で広く知られている法律です。
この法律では、延べ床面積3,000㎡以上(学校の場合は8,000㎡以上)の建築物を「特定建築物」と定義しています。特定建築物の所有者等には、空気環境測定や給水管理、清掃、害虫防除といった維持管理義務が課されており、適切な管理体制の構築が求められます(※)。
建築物衛生法では、空調の基準として空気環境に関する7つの測定項目と基準値が定められています。
| 測定項目 | 基準値 |
|---|---|
| 浮遊粉じんの量 | 0.15mg/m³以下 |
| 一酸化炭素(CO) | 6ppm以下 |
| 二酸化炭素(CO₂) | 1,000ppm以下 |
| 温度 | 18℃以上28℃以下 |
| 相対湿度 | 40%以上70%以下 |
| 気流 | 0.5m/秒以下 |
| ホルムアルデヒドの量 | 0.1mg/m³以下 |
測定は、ホルムアルデヒドを除き2か月以内ごとに1回の頻度で実施する必要があります(※ホルムアルデヒドの場合、新築や増築、大規模修繕後等の使用開始後、直近の6月1日から9月30日までの間に1回のみ実施)。測定場所は各階ごとに、床上75cm以上150cm以下の位置で行います。
令和4年(2022年)4月施行の改正では、温度の低温側基準が17℃から18℃に引き上げられました。また、一酸化炭素の基準値が10ppmから6ppmに厳格化され、従来認められていた一酸化炭素の含有率に関する特例(外気がすでに基準値を超えている場合の特例措置)も廃止されています(※)。
建築物衛生法では、空気調和設備(温度・湿度の調整機能を備えた空調設備)と機械換気設備(換気のみを行う設備)について、それぞれ維持管理基準が設けられています。
空調設備の管理においては、冷却塔および加湿装置について、使用開始時と使用期間中1か月以内ごとに1回の点検が義務付けられています。あわせて、年1回の清掃も必要です(※)。排水受け(ドレンパン)についても定期的な点検が求められており、加湿装置への供給水は水道水を使用することが原則とされています。
また、フィルターの定期清掃やダクト内部の汚れの確認も、空気環境を適切に維持するうえで欠かせない管理項目です。
見落としやすい違反例としては、空気環境測定記録の未実施や紛失、建築物環境衛生管理技術者の未選任、設備点検の長期未実施などが挙げられます(※1)。管理台帳の整備やチェックリストの活用により、漏れのない管理体制を構築することが大切です。違反した場合には改善命令の対象となり、従わなければ30万円以下の罰金が科される可能性があります(※2)。
建築物衛生法に基づく空調の管理基準は、建物利用者の健康と快適性を守るための重要なルールです。基準値を正しく理解し、定期的な測定や点検を着実に実施していくことが求められます。空調設備の管理体制について不安がある場合は、まず専門業者への相談を検討されてみてはいかがでしょうか。
条件に合った
輻射式・放射式
冷暖房が見つかる

2022年9月15日現在、「輻射式冷暖房」「放射式冷暖房」で検索して表示された輻射式冷暖房メーカー35社のうち、納入事例数が多い2社(※)をピックアップしました。
※個人住宅への納入事例は除く。
