警察庁は2024年4月24日、「警察活動における暑熱対策の推進について」を通達しました。これは、夏季の猛暑による警察官の熱中症増加を受け、職員の安全確保と警察活動の円滑化が目的です。通達では、各都道府県警察に対し、暑熱対策の推進体制構築、職員への教養、健康管理の徹底、業務能率向上のための対策(避暑・身体冷却場所の確保、活動時間帯・内容の見直し、水分・塩分補給の徹底など)、資機材活用と被服改善、住民への理解促進を求めています。これにより、現場の警察官が安心して職務を遂行できる環境を整備することを目指しています。
主な対策は多岐にわたります。まず、各都道府県警察で推進体制を確立し、職員への熱中症に関する教養を徹底しています。幹部職員は、この対策を業務管理の一環として認識することが求められます。健康管理の面では、勤務前の体調確認や、体を暑さに慣らす暑熱順化を促し、勤務中も定期的に健康状態をチェックしています。
他にも
など、様々な対策を行っています。現在、警察官が勤務中に水分補給や休憩を取る姿が職務怠慢と誤解されないよう、広報活動を通じて住民の皆様への理解促進も図っています。これらの包括的な対策により、警察官が安全に職務を遂行できる環境を整備しているところです。
警察施設への輻射式冷暖房の導入は、署員の熱中症対策と省エネ化に貢献します。
このシステムは、風を使わずパネルからの輻射熱で空間を快適にするため、エアコン特有の風の不快感や騒音がありません。これにより、静かで温度ムラの少ない環境が実現し、署員は集中して業務に取り組めます。ホコリを巻き上げず、身体への負担も少ないため、健康維持にも役立ちます。また、エネルギー効率が良く、メンテナンスも簡便なため、長期的な運用コスト削減も期待できます。
初期費用や即効性の課題はあるものの、警察庁が進める庁舎の低炭素化や断熱性向上の方針に合致しており、警察官の健康と業務効率向上に繋がる有効な選択肢として、今後の導入拡大が期待されます。
剣道場や柔道場といった逮捕術訓練場(武道場)は、分厚い防具(面・小手・防護衣など)の着用と激しい運動量により、極めて熱がこもりやすい過酷な環境です。そのため、従来の壁掛けエアコンやスポットクーラーでは冷却が全く追いつきません。
「設定温度を限界まで下げても防具の中までは涼しくならない」「大量の汗で床が滑りやすくなり、踏み込み時に危険」といった現場特有の切実な悩みがあり、深刻な熱中症リスクと隣り合わせの状況が続いています。
従来のエアコンは強風を吹き付けるため、気流が竹刀の繊細な操作を妨げたり、稼働音が集中力を削いだりする問題がありました。輻射式冷暖房の最大のメリットは、「無風」の空調である点です。
風で無理に涼しくするのではなく、冷やされたパネルが空間全体の熱を自然に奪う仕組みを採用しています。そのため、静音性が極めて高く、気流に邪魔されることのない、静寂に包まれた集中できる稽古環境が整います。
特に柔道場においては、受け身や寝技の際に体が直接触れる床や壁の温度環境が重要です。輻射式冷暖房による床面冷却や壁面冷却は、接触冷感により体感温度を効果的に下げ、激しい稽古の熱を心地よく和らげます。
また、夏場の冷却だけでなく、冬場においては床暖房のような効果を発揮し、厳しい底冷え防止にも直結します。筋肉の強張りを防いで怪我のリスクを軽減し、高い安全性を確保できるなど、年間を通じて大きなメリットをもたらします。
警察署の改修や建て替えにおいて、単なる「暑さ対策」だけでは予算要求のハードルが高いのが実情です。そこで、「国の脱炭素施策への貢献」という大義名分を掛け合わせることが鍵となります。
輻射式冷暖房は、建物の消費エネルギーを実質ゼロに近づけるZEB(ゼブ)化の評価において非常に有利に働く省エネ設備です。省エネ改修による長期的視点でのライフサイクルコスト削減効果も提示することで説得力が増し、予算獲得をスムーズに進めることが可能です。
警察署と同様に、公共性が高く地域の防災拠点となる自治体庁舎では、放射空調(輻射式冷暖房)を活用したZEB化が進んでいます。警察庁が推進する庁舎の低炭素化方針や、災害時の業務継続計画(BCP)、厳しい維持管理費の削減といった観点から、警察施設の管理担当者にとって参考になる事例を2つ紹介します。
2024年度に竣工する山口市の新本庁舎棟では、建物西側への日射遮蔽外壁を設置し、「放射空調設備」を導入しました。風を感じさせない快適な空間を実現しつつ、一次エネルギー消費量を40%(CO2排出量を年間600t以上)削減する見込みです。
参照元:環境省「公共施設等の脱炭素化の先行事例」【PDF】(https://ondankataisaku.env.go.jp/carbon_neutral/topics/doc/kokyo-shisetsu-datsutanso-senko-jirei-202404.pdf)
各務原市の新築庁舎において「ZEB Ready」認証を取得した事例です。災害対策の中枢となる高層棟には免震構造と自家発電設備を備え、インフラ途絶時でも庁舎機能を維持できる強靭な設計となっています。
参照元:環境省「公共施設等の脱炭素化の先行事例」【PDF】(https://ondankataisaku.env.go.jp/carbon_neutral/topics/doc/kokyo-shisetsu-datsutanso-senko-jirei-202404.pdf)
条件に合った
輻射式・放射式
冷暖房が見つかる

2022年9月15日現在、「輻射式冷暖房」「放射式冷暖房」で検索して表示された輻射式冷暖房メーカー35社のうち、納入事例数が多い2社(※)をピックアップしました。
※個人住宅への納入事例は除く。
