ZEBはNet Zero Energy Buildingの略で、快適な環境を保ちつつ、年間のエネルギー消費量を実質ゼロにする建物です。省エネ(高断熱・高効率設備)と創エネ(太陽光発電など)を組み合わせることで実現します。ZEBには削減率に応じ「ZEB」「Nearly ZEB」「ZEB Ready」「ZEB Oriented」の分類があります。メリットは光熱費削減、快適性向上、不動産価値向上、BCP強化、社会的評価向上など。一方、初期投資コストや認知度、ノウハウ不足が課題ですが、政府の普及推進により解決が期待されています。
日本におけるZEBの定義は、2015年の「ZEBロードマップ検討委員会とりまとめ」で、先進的な建築設計やパッシブ技術、高効率設備と再エネ導入により、年間の一次エネルギー消費量の収支をゼロとすることを目指す建築物と示されました。 その後、普及段階に応じて評価できるよう、「ZEB」「Nearly ZEB」「ZEB Ready」に加え、延べ面積1万㎡以上の大規模建築向けに「ZEB Oriented」を新設するなど、定量的区分が拡充されています。
これは、大規模建築が棟数では約1%に過ぎない一方、エネルギー消費量では約36%を占め、2030年目標達成にはこれらのZEB化が重要と判断されたことが背景にあります。
先進的な建築設計やパッシブ技術、高効率設備と再生可能エネルギー導入により、年間の一次エネルギー消費量の収支をゼロまたはマイナスとする建物です。判断基準としては、再エネを除いた省エネのみで基準一次エネルギー消費量から50%以上削減し、再エネ導入後には基準から100%以上削減していることが求められます。
Nearly ZEBは、ZEBに限りなく近い性能を有する建物で、ZEB Readyレベルの省エネを実現したうえで、再生可能エネルギーにより一次エネルギー収支をゼロに近づけたものを指します。具体的には、再エネを除いた一次エネルギー消費量で基準から50%以上削減し、再エネを含めた削減率が75%以上100%未満となることが判断基準です。
ZEB Readyは、将来的なZEB化を見据えた先進的省エネ建物で、高断熱外皮や高効率空調・照明などの採用により大幅な省エネを実現している状態を指します。再生可能エネルギーによる創エネ分は含めず、建築物省エネ法の基準一次エネルギー消費量と比べて50%以上の削減を達成していることが定量的な判断基準とされています。
ZEB Orientedは、延べ面積1万㎡以上の大規模非住宅建物などを対象とした区分で、ZEB Readyを見据えつつ更なる省エネを図る建物を位置付けます。再エネを除いた一次エネルギー消費量について、事務所・学校・工場等は基準から40%以上、ホテル・病院・百貨店・飲食店・集会所等は30%以上削減し、加えて未評価技術などによる追加的な省エネ措置を講じていることが条件です。
久留米市は、既存公共建築物のZEB化で全国をリードしています。例として環境部庁舎を改修し、既存公共建築物ZEB認証を取得しました。高断熱化や高効率設備導入、太陽光発電・蓄電池設置で、一次エネルギー消費量削減率106%を達成し、災害時の防災拠点機能も強化。また、他公共施設のZEB化可能性調査も進め、民間向けには「久留米市脱炭素経営推進事業補助金」でZEB化検討を支援しています。これらの取り組みで、久留米市は地域全体の脱炭素化を推進しています。
品川区は、都内初の公共建築物「Nearly ZEB」認証を取得した「エコルとごし」をはじめ、ZEB化を推進しています。同施設は地中熱利用や太陽光発電で省エネ・創エネを徹底し、環境学習の場としても活用されています。さらに、既存公共建築物のZEB認証も取得し、難しい既存ストックのZEB化にも挑戦。「ZEBリーディング・オーナー」としても登録し、新築・改修問わずZEB導入を検討することで、地域全体の脱炭素化と環境意識向上に貢献しています。
宮城県白石市は、「ゼロカーボンシティ」宣言のもとZEB化を推進。築20年超の「白石市文化体育活動センター(ホワイトキューブ)」を改修し、宮城県内公共施設初の「ZEB Ready」認証を取得しました。高効率空調、LED化、太陽光発電、蓄電池導入で一次エネルギー削減率59%を達成。これにより省エネ効果に加え、災害時の防災拠点機能も強化されました。地域にとって重要な施設をZEB化することで、市民の安心・安全な暮らしと脱炭素社会の実現を両立させる、全国的に見ても先進的な取り組みとなっています。
※各情報の参照元:【PDF】公共建築物のZEB化検討ステップに応じた課題と解決策
(https://www.env.go.jp/earth/zeb/news/pdf/ZEB_public_buildings_MOE_20240110.pdf)
岡山ガス新本社ビルは、脱炭素社会への貢献と災害対策拠点としてのBCP強化を課題・きっかけとして、ZEB化されました。外断熱・Low-Eガラスで高断熱化を図り、排熱回収型ナチュラルチラーや床吹出空調などの高効率設備で省エネを徹底しました。さらに、コージェネレーションシステム(CGS)、太陽光発電、蓄電池を組み合わせることで、電力の多重化と省エネを両立します。
結果としてZEB Ready認証を取得し、50%以上の省エネを達成しました。また、制振ダンパーや免震床で高い耐震性を確保し、災害に強い新拠点となっています。
参照元:岡山ガスHP
(https://www.okagas.co.jp/okagas/wp-content/uploads/2022/12/32b0b1a1f2adff148396935fed3bcec6.pdf)
愛媛県松野町の新庁舎は、「森の国 まつの」を象徴する地域産木材を活用しつつ、災害に強いZEB庁舎とする課題から計画されました。松野町産の杉材による集成材ラーメン架構+CLT耐力壁と、高効率空調、LED照明、太陽光発電+蓄電池などを導入。この結果、Nearly ZEB認証(BELS☆☆☆☆☆)を取得し、一次エネルギー消費量削減率81%(創エネ含む)を達成しました。これにより、年間1,000万円の光熱費削減効果と、災害時における業務・避難所運営の継続性を実現しています。地域材の活用は林業活性化にも貢献しています。
参照元:環境省HP
(https://www.env.go.jp/earth/zeb/case/new_05.html)
岐阜県瑞浪市立瑞浪北中学校は、新築校として全国初の「スーパーエコスクール」の課題達成を目指しZEB化されました。地域の地形・風土を活かした校舎配置がきっかけとなり、南北両面採光や、登り窯をモチーフとした重力換気、地熱利用のクールウォームトレンチなど、自然エネルギーを活用。さらに太陽光発電(120kW)などの創エネ技術を導入しました。
この結果、一次エネルギー消費量削減率77%を達成し、Nearly ZEBを実現。また、エコモニター等による「環境学習プラットフォーム」を導入することで、生徒の自発的な省エネ行動を促し、環境教育とZEB化の両立に成功した先導事例です。
参照元:環境省HP
(https://www.env.go.jp/earth/zeb/case/new_10.html)
北海道美幌町役場庁舎は、老朽化と「強靭性の確保」「環境配慮型庁舎」の課題に対応するためZEB化が計画されました。寒暖差の激しい地域特性を克服するべく、高断熱化と高効率機器を導入します。空調には、厳しい冬期でも安定する地中熱ヒートポンプと高効率な電気式ヒートポンプを適材適所で採用しました。さらに、LED照明の制御やアースチューブ、エコボイドなどで省エネを促進しています。
この結果、ZEB Ready(一次エネルギー消費量削減率57%)を達成し 、改善につながるものと期待されています。また、太陽光発電と蓄電池で災害時の電源も確保しています。北海道内の自治体として初めてZEBリーディングオーナーに登録され、普及を牽引します。
参照元:一般財団法人ヒートポンプ・蓄熱センター
(https://www.hptcj.or.jp/case/search/assets/p63_g.pdf)
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