輻射式冷暖房とは、人体ではなく壁や天井などの構造物を冷やしたり、温めたりすることによって理想的な室温に保つ冷暖房設備です。ここでは、輻射式冷暖房の放射エネルギーについて紹介します。
輻射式冷暖房とは、輻射パネルから熱を発することで室内の温熱環境を整える冷暖房設備です。輻射パネルから出される熱の量は「放射エネルギー」と呼ばれ、以下の3つの要素でエネルギー量が決まります。
輻射式冷暖房については、輻射パネルの見かけの表面積が大きいほど放射エネルギーの量が多くなります。そのため、見かけの表面積が小さな輻射式冷暖房については、放射エネルギー量が小さくなり冷暖房効率が下がります。
放射エネルギーの計算方法は、導き出される放射エネルギーをE(W/㎡)・絶対温度をT(K:ケルビン)・ステファン=ボルツマン定数をσ (W/(㎡·K4))・放射率をεとすると
という計算式で表されます。ステファン=ボルツマンの法則では放射源の発散度や放射輝度が絶対温度の4乗に比例(単位面積あたり)となり、放射エネルギー量は輻射パネルの見かけの表面積に比例すると考えることができます。
これらを踏まえつつ、定数はそのままで放射エネルギー量は放射率εと物体の表面温度であるTが変数となるため、放射エネルギー量はこの2つの値に左右されることがわかります。
輻射式冷暖房の性能を調べるためには、仕様書・テストの結果などを確認する必要があります。一例として、輻射式冷暖房を開発・製造しているFUTAEDA株式会社では、社内に環境試験室を設置したうえで性能評価試験を行っています。
環境試験室は輻射パネルの大きさや高さ以上の広さを確保し、安定的に輻射パネルに供給する冷水や温水の温度を一定に維持するための「冷凍サイクル室外機システム」が設置されています。このシステムを使用することで冷温水を±0.1℃差の範囲で一定的に供給し、輻射パネルの性能評価が正しく行えるとしています。
環境を整え、テストを繰り返すことによって得られた客観的な結果をもとに輻射パネルの放射エネルギー性能を数値化して提示している場合は信頼性の高いデータと判断できますが、正しく性能評価を行っていない場合や、性能評価テストを公開していない場合は注意が必要です。
メーカーによっては「推定値」として、おおよその値を輻射パネルの性能としているところもあります。また温熱環境の設計を正しく行っていなかったり、数値やテスト環境自体を非公表にしていたりするケースもみられます。
このような場合、正しい結果が得られているとは限りません。放射エネルギー量についても結果がまちまちであると、他社製品との比較自体が正しく行えない可能性もあります。
輻射式冷暖房を導入する際、価格やデザインなど導入のしやすさを比較するケースが多くみられます。また、数値やパネルの大きさなどの数値で示される情報や、パンフレット・カタログなどに書かれている情報を信頼しやすいものです。
しかし、メーカーごとのこだわりやどの程度の性能評価を行っているか、性能評価のための努力や用意している環境・設備なども忘れずにチェックするようにしてください。
条件に合った
輻射式・放射式
冷暖房が見つかる

2022年9月15日現在、「輻射式冷暖房」「放射式冷暖房」で検索して表示された輻射式冷暖房メーカー35社のうち、納入事例数が多い2社(※)をピックアップしました。
※個人住宅への納入事例は除く。
