放射式の冷暖房と対流式の冷暖房にはさまざまな違いがあります。両者の仕組みの違い、温度変化の違いとそれによる快適性の違い、イニシャルコストとランニングコストの違いなどについて、詳しくご説明します。
エアコンやファンヒーターに代表される対流式の冷暖房は、冷風や温風を吹き出して部屋の空気を暖めたり冷やしたりします。それに対して、輻射式冷暖房は、輻射熱によって床や壁、天井といった部屋の構造物を暖めたり冷やしたりします。暖房のイメージが強い輻射式空調ですが、輻射熱は温度が高い方から低い方に移動するため、夏場は放射板を冷却することで室内の熱を奪い、冷房として機能します。
対流式の冷暖房は立ち上がりが早いという利点がありますが、天井付近と床付近とで温度差が生じる傾向があります。暖かい空気が上に溜まってしまうため、暖房を入れても足元がなかなか温まらないということが起こりがちです。
輻射式の冷暖房は立ち上がりに時間がかかりますが、部屋全体をムラなく暖めたり冷やしたりすることが可能です。また、温度が高い方から低い方に輻射熱が移動するという性質上、暖房時は体温の低い人の方がよく温まり、冷房時は体温の高い人の方がより冷やされるという特徴があります。
温風や冷風を吹き出して室内を循環させる対流式の空調では、吹出空気に当たった人が過度な暑さや寒さを感じたり、また温風が出ていても気流の勢いによって寒く感じてしまったりすることがあります。人に不快感を与えるこのような気流をドラフトと呼びますが、輻射式は熱の移動を利用した冷暖房なので、不快なドラフト感が発生することはありません。
ドラフトは過度な熱感、冷感が不快なだけでなく、埃を舞いあげるといったデメリットもあります。
対流式空調には室外機と室内機が必要です。大型施設の場合は、大型の熱源機器と室内ユニットという組み合わせになります。一方の輻射式空調は、床や天井を放射板とし、放射板を加熱・冷却する空気または冷温水を循環させるパイプ等を敷設するため、システム規模が大きくなります。そのため、イニシャルコストの安さでは対流式空調に軍配が上がります。
しかし、輻射式冷暖房は省エネ性に優れているため、長期間のランニングコストは対流式より低くなります。輻射式の特性上、対流式と比べて夏は高め、冬は低めの温度設定で快適な環境を作れます。また、冷温水式の輻射式冷暖房で使用する水温は冷房時16度、暖房時43度程度と、自然エネルギーを採り入れることが容易になるからです。
放射式冷暖房、輻射式冷暖房の弱点を補うためには、ほかの種類の暖房器具を併用するという手段も有効です。
たとえば、エアコンで素早く室内を温めて、その後はホットカーペットを行うという手段があります。こうすればエアコンとホットカーペット両方のデメリットを補いつつ、メリットを活かすことができるでしょう。また、防止加工を施したホットカーペットならキッチンやダイニングなどでも安心です。
ほかにも、脱衣所に置くなら風が起きない輻射式暖房を使うのと同時に、人がいる間は素早く室温を上げるために小型の電気ストーブを用いるという手段もあります。
条件に合った
輻射式・放射式
冷暖房が見つかる

2022年9月15日現在、「輻射式冷暖房」「放射式冷暖房」で検索して表示された輻射式冷暖房メーカー35社のうち、納入事例数が多い2社(※)をピックアップしました。
※個人住宅への納入事例は除く。
