多くの学生、児童が集団生活を送る学校では、省エネ性能が高く、大きな空間の室温を均一に保つ能力に長けた放射・輻射式冷暖房が適しています。実際の導入事例と一緒に、学校におすすめの製品をご紹介します。
大勢の学生、生徒、児童が集まる学校の空調には、電力消費を抑えながら室温を均質に保つ能力が求められます。着席する場所によって空調が効きすぎたり効かなさすぎたりするのは辛いものですが、放射式・輻射式冷暖房にはその心配がなく、良好な学習環境を保ちます。
また、放射式・輻射式冷暖房は風を起こさないのでウイルス拡散のリスクが低く、インフルエンザなどの集団感染を予防する効果も期待できます。学校に導入する場合、ホールや大教室には床放射冷暖房、小教室には天井放射冷暖房が適しています。

製品名
セントラルサーモシステム(冷温水式)/冷温水式天井放射冷暖房システム:CRACIC クラシック
解説
早稲田キャンパス新3号館は、旧3号館を再現した「再現棟」と、地下2階、地上14階の高層棟という二つの建物を融合させた造りになっています。内部に旧3号館を再現した大空間のエントランスホールには、床上2メートル程度の居住域にのみ空調を効かせるセントラルサーモシステムを採用。
各教室には冷温水式天井放射冷暖房のCRACICを採用することで、運転コストを抑えながら快適な環境を実現しています。

画像引用元:インターセントラル公式HP(https://www.i-central.co.jp/introduction/page/16/?search_system%5B0%5D=type_1_1)
製品名
セントラルサーモシステム(冷温水式)
解説
中央棟の広々としたホール「HUS PLAZA」の空調として、床放射冷暖房のセントラルサーモシステムが採用されました。HUS PLAZAは同窓会の寄附によって設備が拡充された施設で、展示会といったイベントが開催されることもある多目的ホールです。
高い天井を持つホールですが、床上2メートルの範囲にのみ空調を効かせられる居住域空調を採用することで、消費電力を抑えながら快適な環境を作ることができています。

製品名
エコウィンHYBRIDスクリーンタイプ
解説
輻射熱を活用するエコウィンは風を起こさないため、細菌やウイルスの拡散を最小限に抑えて集団感染の予防に役立ちます。室内の温度ムラがなくなるため敏感な乳幼児の体に負担をかけず、放射板が高温にならないので誤って触れてしまっても火傷の心配がありません。
幼稚園、保育園といった施設で安心して導入できる空調システムといえるでしょう。
学校に冷暖房設備を設置するための工事費を対象とした、支援制度について紹介します。
理科室などの特別教室や学校給食設備、体育館などの屋内運動場の空調工事にかかわる経費について、国庫から補助する制度です。
また、体育館に冷暖房設備を新設する場合は、工事にかかわる経費の2分の1を補助。体育館は災害時の避難場所として利用する可能性もあることから、令和7年度までの期間限定で補助率の引き上げを行っています。
公立の小学校や中学校のほか、義務教育学校や中等教育学校の前期課程、特別支援学校、幼稚園が対象です。
空調(冷暖房設備)を、工事を伴う新設・更新によって設置する場合の経費に対して支援を受けられます。
ただし、リース契約による空調設置は資産が形成されないため、支援対象外。また、屋内運動場へ空調を設置する場合、その建物に断熱性があることが要件です。断熱性を確保するための工事を行う場合は、その工事費も支援対象となります。
文部科学省が発表した『令和4年度 公立学校施設の空調(冷房)設備設置状況』によると、公立学校での空調の設置率は上昇傾向にあります。
2022年9月1日時点における空調の設置率は、小中学校・高等学校の普通教室で約95%となっており、寒冷とされる地域を除いておおむね設置が完了しています。
一方で、特別教室と体育館は空調の設置率が高いとはいえず、体育館については小中学校で11.9%、高等学校で8.1%にとどまっていることが現状です。
学校法人が運営する私立学校においても、生徒の利用頻度が高い普通教室を優先して空調の設置を進めているケースがあります。生徒が快適かつ安心して過ごせる教育環境へと改善を図るには、特別教室や体育館などにも空調の設置を進めることが重要です。
学校への空調設備導入は、生徒の健康や学習環境の向上、災害時の対応など、多岐にわたる利点があります。
空調を導入して快適な室内温度を維持することで、学習に集中しやすい環境へと改善を図れます。
文部科学省がまとめた資料『空調設置による教育環境向上の効果例』によると、生徒の約90%が「室温が高く授業に集中できないことがある」と回答しています。空調の設置後には、96%の生徒が集中して勉強に取り組めたと回答しています。
さらに、ある小中学校では、空調による室内環境の改善を図ったことで問題に対する正解率の向上も見られています。
なお、文部科学省がガイドラインとして定めている『学校環境衛生基準』では、教室をはじめとする施設内の温度は17℃以上28℃以下にすることが望ましいと示されています。
生徒と教員の熱中症や体調不良を防ぐために、空調による温度管理を行うことが必要です。
近年の日本では、夏場に災害級ともいえる暑さを記録しており、学校では毎年5,000件程度の熱中症が発生しています。また、暑さ・寒さによって気分の悪さや頭痛などの体調不良につながることも考えられます。
文部科学省によると、空調を設置して温度管理を行うことで、授業中の熱中症発症者や保健室来室者が減少したという結果が報告されています。
そのほか、「給食の際に美味しく残さず食べられるようになった」「問題行動が減少した」などの事例も見られています。
空調を設置すると、夏季休暇中に補講が行えたり、2学期の開始時期を早められたりできるようになり、計画的な授業の進行が可能になります。
また、普通教室だけでなく特別教室・体育館などに空調を設置すると、高温による熱中症予防のために体育や専門教科の授業、部活動などを中止しなくてもよくなります。
これにより、授業の進行が遅延するのを防止できるほか、学内における課外活動の活性化を図れます。
自治体によっては、学校施設が災害時の避難先として指定されているケースがあります。体育館に冷暖房・換気を行える空調設備を設置することで、避難所として学校施設の防災機能を向上させて、生徒や地域住民が安心して過ごせる環境へとつながります。
また、体育館には断熱性能が確保されておらず、冷暖房効率が悪くなる可能性があります。全面的な改修も視野に入れつつ、断熱性能を確保したうえで空調設備を設置することが重要です。
学校や教育施設には、屋内外を問わず様々な場所が存在します。一つ一つの用途・広さに合わせた空調施設の導入が不可欠です。
1~4大の室内機に対して、1台のみの室外機を設置して運用していくエアコンです。集中管理・小規模設置にも対応可能という特徴を持ち、既存の建物に設置できます。一般的な学校では、室内機は安全に配慮でき工事も最低限で済ませられる天吊式がおすすめ。壁掛け式や床置式もメンテナンスがしやすく、様々な教室に向いています。
複数台の室内機に1台の室外機で設置できるエアコンです。個別の発停・温度管理が可能等、設置場所によって臨機応変な運用が期待できます。室外機の設置場所に制限がある場合や新築校舎などにも適しています。
体大空間における効果的な空調に向けて設計されるオーダーメイド型の空調機です。空冷ヒートポンプ室と組合わせた直膨エアハンによって、自動制御の簡素化に成功しています。オプションでインバーターを追加するなどによって、リモコンで運転調整も可能。
ダクトで大風量を遠くに飛ばす仕様で、コンパクトなシステムで効率的に大空間の空調管理が可能。吹き出し口の位置も調整できます。
寒冷地など、暖房機能が必要な体育館で効率的かつ快適な効果が期待できる、遠赤外線暖房機です。暖房の効率性が高まり、運転開始後すぐに暖房効果が見込めるのが特徴。
学生など若い年代の人の熱中症は、スポーツが原因のものがほとんどです。運動時には筋で大量の熱が発生するため、熱中症のリスクが高くなります。激しい運動では20~30分程度で体温を4℃も上昇させることが分かっており、スポーツによる熱中症の死亡例には以下の特徴があげられます。
学校での部活動や体育の授業などは、この特徴に該当するケースも少なくないでしょう。
学校管理下で起きた熱中症死亡事故の実態として、ほとんどが運動部の部活動中に起きたことが分かっています。一部な校内スポーツ行事であり、運動部活動では夏、校内スポーツ行事では春・秋に発生しています。
梅雨明けの7月下旬や8月上旬に多く、気温25~30度でさらに湿度が高い条件が加わると発生しています。早朝や夕方にも発生しており、部活動では野球・ラグビー・サッカー・県道・柔道で多く発生しています。高校生が7割であり、9割は男性、7割は肥満です。
※参照元:
環境省:【PDF】教育現場の熱中症(スポーツを含む)
一般に冷房病(クーラー病)といわれるのは、外出先と室内の激しい温度差荷よって自律神経のバランスが崩れることによって起こるとされています。人の体は夏になれば熱を逃がしやすく、体内での発熱を抑制するよう適応しています。冷房の効いた室内にいすぎると、体温調節や発汗のコントロールが上手くいかなくなり、自律神経の乱れによって「冷え」に対する抵抗力が弱くなってしまうのです。
足腰の冷えや体のだるさに加え、頭痛・食欲不振・不眠など…様々な症状が冷房病と繋がっています。
冷房病の原因は、屋内外の気温差によるものです。特に屋内外を多く行き来する人ほど、めまぐるしく体温の調整機能を働かさなければならず、体への負担が大きくなりがちです。
冷房病になると、以下のような症状が生じます。
どれも自律神経のバランスが乱れることで起こっているため、生活習慣を見直して自律神経を整えていくことが大切です。
大切な子どもたちが集団生活を送る場を快適に整えてくれる放射・輻射式冷暖房ですが、建物の構造や条件によって設置できる機種が制約される場合があります。 放射・輻射式冷暖房を導入するなら、空気式、冷温水式両方に対応可能で、専門的なアドバイスを受けられるメーカーに相談しましょう。
本サイトでは、放射式・輻射式冷暖房の導入目的別に適したメーカーを紹介。ぴったりな製品が見つからない…と諦める前に、ぜひ参考にしてみてください。
条件に合った
輻射式・放射式
冷暖房が見つかる

2022年9月15日現在、「輻射式冷暖房」「放射式冷暖房」で検索して表示された輻射式冷暖房メーカー35社のうち、納入事例数が多い2社(※)をピックアップしました。
※個人住宅への納入事例は除く。
