省エネ性能が高く快適であるとされている輻射式冷暖房ですが、実は地下水を活用できることもあります。地下水を活用した輻射式冷暖房は、さらに省エネ性能が高まるため導入を検討する際にはぜひ確認しておきたいものです。この記事では輻射式冷暖房に地下水を活用した実際の事例を3つご紹介しますので、輻射式冷暖房導入の際の参考としてご覧ください。
まず輻射式冷暖房とは、放射熱を利用した冷暖房のことです。そのため放射式冷暖房と呼ばれることもあります。日本でよく利用されているエアコンは「対流式」であり、空気を滞留させて部屋の空気の温度を調整する仕組みです。
しかし輻射式冷暖房では部屋の中の空気ではなく、放射パネルの中に温水または冷水を循環させることで空間の温度を調整します。放射パネルは天井や壁、床など住宅全体を囲むように設置されるため、冷水により輻射パネルが冷やされれば、天井や壁などの熱が奪われて空間が涼しくなります。反対に温水で輻射パネルが温まると、空間に熱が放射されて部屋が暖かくなる仕組みです。
熊本県にあるオフィス・情報センターにて輻射式冷暖房が導入された事例をご紹介します。鉄筋コンクリート造地下1階・地上2階建ての建物で、吹き抜けのある大きなホールも備わっているオフィスです。すぐ近くに川が流れていることから地下水を利用しやすい環境でした。
吹き抜けのあるホールに放射ラジエータを鉄骨で支えるように設置したところ、外気約32℃でホール内の空気は約24℃にまで下がったそうです。そして外気約3℃の場合でホール内は約19℃となりました。地下水を利用した放射式冷暖房を設置すると、大きな吹き抜けつきのホールでも安定した室温が保てるという事例です。
参照元:【PDF】ピーエス株式会社「地下水を利用した放射冷暖房システム事例」
(http://www.geohpaj.org/old_information/doc/hirayama.pdf)
続いては地中の熱で常に15℃前後に保たれているという、長野県の地下水を輻射式冷暖房に活用した事例です。地下水が豊かな長野県の自然を活かして、省エネルギー性が高くかつ人にやさしい冷暖房を目指すことが目的でした。
この事例で特徴的なことは、天井に冷水を循環させることで放射冷房を行ったことです。天井に設置された照明の熱を冷たい地下水により冷やすことで、より効率的な放射式冷暖房となりました。
最後にご紹介するのは、宮城県仙台市で建築された事務所と賃貸共同住宅の複合施設にて、地下水を活用した輻射式冷暖房を導入した事例です。目指したのは「地域特性を活かした省エネルギーな次世代のオフィス」ですが、現地の地下水を採水して天井に輻射式冷暖房を設置することで、さらに省エネルギー化をはかりました。
こちらの複合施設では完成した際に、太陽光発電での45%の創エネも含め、合計で101%の一次エネルギー消費量削減を目指しています。
参照元:@Press「国内初、事務所と賃貸共同住宅の複合施設で Net-ZEBとZEH-M Orientedの認証取得
」
(https://www.atpress.ne.jp/news/335747)
条件に合った
輻射式・放射式
冷暖房が見つかる

2022年9月15日現在、「輻射式冷暖房」「放射式冷暖房」で検索して表示された輻射式冷暖房メーカー35社のうち、納入事例数が多い2社(※)をピックアップしました。
※個人住宅への納入事例は除く。
